感染対策のためには欠かせないアルコール消毒液は腐るって本当でしょうか？
また使用期限切れのものや、そもそも書いてないアルコール消毒液を使ってもいい基準があったら知っていたいですよね。
サラヤ・キレイキレイ・ビオレUの製品も調べてみました！
外出したら1回も見ない事はないアルコール消毒液。
お店が管理しているものは臭かったり、いつから置いてあるの？ってくらいに容器が汚れていたりするのを見かけたことは一度はあるはず。
せっかく感染対策をしているので、アルコールの知識をしっかりと身につけておきましょう。
仕事で毎日アルコールを扱う筆者がアルコール消毒液についてご紹介します♪
●アルコール消毒液が腐るのか？
（臭いのはなぜ？）
●開封前・開封後の使用期限
●使用期限が書いていない時の使用期限の見分け方
●使用期限切れのアルコール消毒液は使ってもいいの？
●アルコール消毒液の廃棄方法
●アルコール消毒液の種類
アルコール消毒液は腐る！？
結論アルコール消毒液は腐りません。
においが臭いと感じることがあるので、腐ると思ってた！
正確にいうと、「エタノール」は腐りません。
エタノールが腐らないからアルコール消毒液も腐らないとは言えない気がする・・・
確かに、一般的なアルコール消毒液の製品には「水」が含まれています。
ご存じの通り水道から出してコップに注いだ水は放置しておくとカビが生えたり悪臭を発生させます。
またアルコール消毒液に入っている水は水道水より腐りやすい「精製水」を使っています。
日本水道協会によると水道水は水道法の規定で塩素消毒剤として次亜塩素酸ナトリウムが入っています。
かなり少量ですけどね！
この次亜塩素酸ナトリウムというのは、エタノールと同じく消毒に使われる成分です。
なので、この成分が入っている水道水と純粋な水（精製水）と比べると、アルコール消毒液に使われている「水」のほうが腐りやすいんですね。
またアルコール消毒液にはエタノールと水以外にも成分が入っています。
●乳酸ナトリウム
保湿効果、ｐH調整の役割、香りはほとんどしない
●クロルヘキシジングルコン酸塩
消毒効果あり、においはほとんどしない
●グリセリン脂肪酸エステル
静菌性あり、香りはほとんどしない
●グリセリン
保湿効あり、香りはほとんどしない
これらの成分が生産者が選択してアルコール消毒液に含ませることがありますが、基本的には臭いにおいがするものはありません。
なので基本的に、アルコール消毒液はほぼ無臭の製品です。
では何が原因なんでしょうか？
じつはここ数年感染症の大流行により、手指の消毒液に使える医薬部外品と医薬品が品薄になっていました。
そこで厚生労働省は、食品に使用できる「食品添加物のエタノール製剤」も手指の消毒液として使用してよいとの通達を出したのです。
このエタノール製剤に使っているエタノールは、お酒として飲めないように香料が入っています。
これが「臭い」「腐っている」と感じる成分のひとつです。
あえて人が不快だと思う香りをエタノールにつけることで、お酒用として使えなくしています。
このようなエタノールに香りを付けて調整させたエタノールを「変性アルコール」と呼んでいます。
アルコール消毒液が腐っているわけではなかったんだね！
もう一つ挙げられる理由は、精製しきれていないエタノールを使っているからという点です。
エタノールは精製されて私たちが知っている無臭のエタノールになります。
精製前は匂いがついているので、精製しきれなかったエタノールをアルコール消毒液に使用すると、臭くなってしまいます。
なので、消毒液が臭いからといって腐っているわけではありません。
食品添加物用に作られた変性アルコールの匂いは、臭いものもあります。
しかし、その匂いはずっと残る臭いではなく、アルコール消毒液が揮発すると共に匂いも消えていくので手に残る心配はありません。
アルコール消毒液の使用期限が書いていない！いつまで使える？
アルコール消毒液の使用期限は、
約3年と言われています。
製品自体に記載が無いものがほとんどだと思います。
製品に書いていないと不安になりますよね。
・添加物でできているから
・そもそも製品自体が殺菌効果があるから
ビオレU手指の消毒液の使用期限は？
引用：https://www.kao.co.jp
花王のビオレUの使用期限は医薬部外品なので、3年くらい使えると思いますが、調べてみると花王が正式に使用期限について公表していました。
製品に書いてないと少し不安。
その文面によると、
開封後の製品の使用期限は、製品の保管条件（気温、直射日光、など）に左右されるため、設けておりません。ラベルに記載されている保管および取り扱い上の注意をご確認いただき、開封後はできるだけ早くご使用ください。引用：花王HP
一度開封した製品については、保証していないんですね。
では、未開封の製品について、花王はどうでしょうか？
指定医薬部外品の手指消毒薬（ハンドスキッシュ、ハンドスキッシュ EX、ソフティ ハンドクリーン手指消毒液、ソフティ
ハンドクリーン手指消毒ジェル）については、未開封であれば、製造から 3 年間は品質を保つように設計されています。引用：花王HP
ビオレU手指の消毒液は医薬部外品なので、例外なく未開封は3年間保証していますね。
また、「製品の製造月については弊社にお問い合わせください。」とのことなので、製品を見て判断できるのは製造年のみになります。
キレイキレイ消毒液の使用期限は？
引用：https://www.lion.co.jp
ライオン「キレイキレイ薬用手指の消毒スプレー」の使用期限はライオン公式ホームページには記載していません。
しかし医薬部外品なので、おおよそ3年間は使用できますね。
正式な発表はないので、ご自身の判断で使いましょう。
キレイキレイシリーズは感染症が流行する前から殺菌シリーズの展開が豊富でしたね。
今回のキレイキレイ薬用手指の消毒スプレーは、2021年に新発売した商品なので、
今までのラインナップよりも現代社会に適している消毒スプレーになります。
サラヤ手指消毒剤の使用期限は？
引用：https://shop.saraya.com
サラヤの手指消毒液の使用期限はサラヤ株式会社の医療・介護関係者向けサイトで公式に記載がありました。
その記載によると、以下のように定義されています。
＜未開封＞製造より3年間
＜開封後＞ご施設での使用状況、保管状況等が異なるため、具体的な使用期限は設けておりません。
なるべくお早目にご使用頂けますようお願い致します。
サラヤも製造より3年といっていますね。
サラヤは業務用のアルコール消毒液で有名ですが、感染が拡大しだした数年前から一般家庭でも見られるようになりました。
使用期限切れのアルコール消毒液は使ってもいいの？
使用期限切れのアルコール消毒液は基本3年間と言われています。
しかし使用期限が設定されていない製品もあります。
「基本」なので、3年以上経過したアルコール消毒液を使用してはいけないというものではありません。
３年以上経過したアルコール消毒液の中身はどうなっているの？
アルコール消毒液は基本的には水の様にシャバシャバした液体です。
なので時間と共に揮発してしまいます。
それに、エタノールと水でしたらエタノールの方が先に揮発してしまいますので、どうしてもエタノール濃度が低くなってしまいます。
そのことにより、消毒効果が弱まる可能性があるので、おおよそ３年間と設定しています。
しかし全く殺菌効果がなくなってしまうのかというと、そうでもありません。
アルコール消毒液はだいたい７０％のエタノールを含んでいます。
これくらいの濃度が一般的に殺菌するのに作用しやすい濃度と言われています。
しかし６０％台でも殺菌効果があるので、１０％も揮発してしまうには保管条件が悪かったり、かなりの年数が経ったりしていないと考えにくいです。
なので、３～５年くらい経過していても自己責任で使用する分には良いかもしれませんね。
またアルコール消毒液自体は問題なかったとしても、容器が腐敗している可能性もあります。
エタノールは高濃度だとプラスチック容器を溶かしてしまうことがあります。
アルコール消毒液は基本的に水で希釈されているので、容器を溶かすほどではないと思いますが、念のため使用する前に容器の腐敗がないか確認した方が良いと思います。
手ピカジェル使用期限切れ
手ピカジェルせっせと使ってたがよく見たら期限切れ pic.twitter.com/CDBTptXYgH
— yosuke (@omap2) February 27, 2020
手ピカジェルはアルコール消毒液と違い、使用期限が製品に記載がります。
なので期限を守って使いましょう。
どうしても期限が切れている手ピカジェルを使いたい場合、臭いや色に異常はないか確かめてから使用しましょう。
もともとの手ピカジェルの色は無色透明、臭いはほとんどなしです。
この２つの基準をクリアしていなければ、使用を控えましょう。
アルコール消毒液に使用期限が書いてない時の使ってもいい基準はあるの？
アルコール消毒液に使用期限が書いてない時の使ってもいい基準はとくに設けられていませんが、製造年月日より3年程度で使用する・しないを決めるのが良いでしょう。
また匂いは、成分によることが多いので使う基準にはなりません。
基本的には添加物と水しか入っていないので、そうそう腐るものではないので、あまり深刻にならずに考えましょう。
アルコール消毒液の使用期限切れの効果はどうなる？
アルコール消毒液の使用期限が切れた場合、どれくらい日数が経っているかにもよりますが、菌の殺菌効果にはさほど影響はでないでしょう。
もともとの原料「エタノール」は60％製品中に含有していれば十分な殺菌効果が得られます。
だいたいの製品は70％ほどエタノールを含んでいますので、使用期限が1年2年すぎていてもエタノールの大幅な減少の可能性は低いでしょう。
しかし開封後の製品については、空気と触れ合ってしまっていたり、水分が増えていることがあるので、使用期限を過ぎてしまったら使用を中止しましょう。
使用期限が切れたアルコール消毒液の捨て方は？（廃棄方法）
使用期限が切れたアルコール消毒液の捨て方は、指定された捨て方はありません。
５００ｍｌ（ペットボトル１本分）くらいなら、水道水を流しながらながしてしまっても問題ありません。
水に溶けてしまえばプラスチック容器などを溶かす心配もなくなります。
また心配なようならトイレに流してしまうのもアリでしょう。
火元などに放置すると発火の恐れがあるので、不要なら流してしまいましょう。
アルコール消毒液の容器は、リサイクルマークがついていれば中を軽く洗ってリサイクルに出せます。
アルコール消毒液は腐る！？使用期限切れや書いてない場合の使ってもいい基準が知りたい！まとめ
アルコール消毒液は腐る！？使用期限切れや書いてない場合の使ってもいい基準が知りたい！についてご紹介でした！
●アルコール消毒液は腐ることは無いが劣化することはある
●使用期限が書いていないものは３年程度を目安に使い切りましょう
●アルコール消毒液が臭い場合は腐っているのではなく、原料由来によるものなので気にしない
●アルコール消毒液は水道水と一緒に流してＯＫ
肌にも優しく家族みんなで使えます♪
コメント
使用期限のすぎたものの使用についてはともかく。
廃棄方法は「下水に流すのはＮＧ」とのことなので、訂正しておいたほうがよろしいかと。
ご指摘ありがとうございます。修正しておきます。